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ピアニスト望月衛介のe-message

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2007年 07月 25日

TD2。

僕の美術との関わりは
小学生のときに通いだした絵画教室までさかのぼる。

しかしながら
何一つ特徴のない生徒だった。

むしろ兄のほうが才能があった。
絵のコンテストで佳作に選ばれたりしていた。


小学校の高学年になると
僕は二つのことに夢中になった。

ひとつはミレーの「落ち穂拾い」。
この絵を初めて図鑑でみたときの感動はいまも忘れられない。

今、なぜ僕がそんなにこの絵に感動を覚えたのかわからないが
とにかく無性にこの絵が好きになった。

そして
ありとあらゆるところにこの絵をまねて描いた。

もちろん教科書は落書きだらけだ。


もう一つは「手」。

自分の「手」をデッサンすることに
夢中になった。

右で描くからもちろん、すべて左手のデッサンだ。

これも教科書はもちろん、校庭の土にも
何度も何度も描いた。


きっと
変わった子だな。(笑)

それでも
絵の授業になると
平凡な絵しか描けなかった。


ところが
中学時代に一変する。

中学一年のほとんど最初の授業で
ペインティングナイフの授業があった。

ペインティングナイフは文字通りナイフ。

毛先がないので思うように
線も曲線も描けない。

塗ることもままならない。

なんてことのない
学校からみえる京都の盆地の山並みが課題だった。

先生はひとこと
「影をよく見なさい。」

光と影。。。

目を細めてみる。

そうか、絵(映像)は光と影でできているんだ。

そのとき
僕は夢中でペインティングナイフで風景を描いた。
光と影で。

「君、うまいな。」

初めて美術でほめられた。

つづく

by eisukem | 2007-07-25 00:06 | 音楽


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