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ピアニスト望月衛介のe-message

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2008年 01月 07日

すべらない話。後編

時間よ、止まれ。。。

このときほど
そう思ったことはない。

僕がかばんを落としてからの所要時間は
約5分以内。

寒い夜だったから
人もまばらで、まだかばんはあるはず。。

勝手な、思い込みをめぐらせながら
僕は自転車で全力疾走して坂を駆け下りていった。

すれ違う人が数人。

猛スピードながら
僕はよく目を凝らして
彼らの手元をみた。

誰ももっていない。

みなが犯罪者に見える。

と、そこに警官が自転車で通りかかった。

話そうか。。いやまだ早い。

僕は
そのまま、大通りの信号を渡り、もとの自転車置き場まで
来てしまった。

ない。。。

いよいよ、あたまの中は
この後のシミュレーションをし始めた。

やらなきゃならない手続きが
山のように思い浮かぶ。


とりあえず
警察にいくまえに
もう一度、家まで来た道を探そう。

それでなかったら。。

また
同じ信号で捕まった。

やたらと長く感じる。

また警察が通りかかった。

きっと、不審な人だと思われているだろう。

信号をわたり、自宅までちょうど半分まできて
僕の気持ちが6割あきらめていたそのとき、
(道沿いの)スーパーの前に放置してあった自転車のかごに
僕のかばんを発見!
(よくぞ、そこに目をやったと思う。)

「あ、あった!」

急いで
中身を確認した。

物色した形跡はなく
何も盗られていなかった。。

緊張が一気に解ける。。


ふぅ〜、寿命が一年ちぢまったよぉ〜。

なんてラッキーなんだ、俺。

このかばんを自転車に置いてくれた人と
この街の治安のよさに本当に感謝。


そして
気を引き締めて
家路についた。

きっと
新年はすばらしい。

おわり

by eisukem | 2008-01-07 00:18 | その他


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