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ピアニスト望月衛介のe-message

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2009年 12月 18日

富士山は危険。

富士山には
一度登ったことがある。

電通の恒例行事、富士登山。
7月に新入社員と新任部長、関係会社ほかが
頂上からのご来光を目指して登る。


競争を禁止されているとはいえ
そこは各部署に配属された先輩たちの
プレッシャーもあり
とくに媒体局の体力に自信のある面々は
競争になる。

速いひとで
五合目から頂上まで2時間台だったと思う。


そのときの僕の順位は27位。
400人以上登ったわりには
悪くないかもしれない。
(ほんとは10位以内を密かに目指していたが
 スタート順位が遅かったのと
 思っていたよりきつかった。笑)



夕方からのぼりはじめ
頂上で一泊。
(ぎゅうぎゅうだ。その幅30cm。ほんとです。笑)

もちろん、その日に登れない人も多数いて
早朝、日の出まえにもう一度アタックする。

そして
みんなそろってご来光。

雲の上からみる太陽は
ほんとうにきもちいい。





しかし、そのときの気温も0度前後。

夏なのにだ。


冬の富士山は
それはもっとも危険な山となる。




カシオを担当していたとき
G-SHOCKのプロモーションを手がけていた。

ウェブのコンテンツをつくっていたが
そのなかでTOKYO WATCHという企画をつくった。


TOKYOの街のさまざまな顔をルポルタージュしながら
G-SHOCKのイメージと重ね合わせるという
ウェブマガジンだ。


TOKYO WATCHの取材には
僕もほぼ毎回立ち会った。


中でも
小笠原と雲取山が印象的だった。




雲取山をご存知だろうか?

東京で一番高い山だ。

埼玉と山梨の県境にある。


ここに2月に登った。

夏は
年配者も登る、登山としては
初級クラスだが
冬はまったく別の顔を持つ。

僕はカメラマン兼ライターと
プロの登山家ナビゲーター、3人で登った。


過酷だった。


気温がマイナス20度。


普通スキー手袋をしていったら
手が凍る。

あまりの痛さに
泣きそうになった。

凍傷というのはこういうふうになっていくのだと思った。


山頂につくころには
吹雪になっていた。

早く山小屋に入りたかった。

山小屋を発見したときは
心底うれしかったが
山小屋のなかは
マイナス15度だった。

こたつがあった。

こたつの中は0度だった。

こたつに足をつっこんで
これぞせんべい布団というべき
布団を4枚ぐらいかけて寝た。

息が凍って
落ちていくのがわかる。。



朝になった。


朝食がでた。

山小屋の主人が
「はやくたべな。凍るよ」

出された生卵が
みるみる凍っていく。

いそいで
みそ汁を胃にかき込んだ。


いい思い出だったが
もう冬山は登らないと誓った。



ところで
この登山の集合時間のとき
ナビゲーターの人が遅れて来た。

どうしたのか聞くと
「きのう、一緒に登っていた仲間が富士山で死んだ」。


プロでも
富士山で命を落とす。

日本で一番危険な冬山だと
教えてくれてた。


自然はあなどれない。

by eisukem | 2009-12-18 16:06 | 電通


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